株式投信と銘柄の選択方法

ファンドマネジャーにファンドの運用を任せる株式投信には、大きく2つの運用スタイル
があります。

ひとつは、「パッシブ運用」と呼ばれるもので、日経平均株価やTOPIXと同じ株式の組み合
わせを作成するものです。
株価の組み合わせを「ポートフォリオ」と言いますが、株価指数と同じポートフォリオ
にすることで、株価指数と同じ運用成績を上げる方法です。
例えば、日経平均株価のベースになる主要225銘柄全てを入れたポートフォリオにすれば、
日経平均株価と同じ動きになります。
このパッシブ運用なら、ファンドマネジャーの手腕は関係ありません。
株価指数が10%上がれば、運用成績も10%上がるだけです。
よく知っている銘柄の組み合わせですから、投資する側にも安心感があり、株価指数と
連動しているので、分かりやすく買いやすいとも言えます。

もうひとつのファンドの運用方法は、「アクティブ運用」と呼ばれるものです。
これは、ポートフォリオの組み合わせをファンドマネジャーに任せる方法です。
例えば、IT関連の株が伸びそうだと予想すれば、IT関連株の比率を多くします。
つまり、儲かるか儲からないかは、ファンドマネジャーのポートフォリオ次第と言えます。
予想が当たれば、株価指数よりも大きな運用益が期待できるでしょう。

株式投信の商品を選ぶ際には、よく商品内容を検討することが大切です。
特に、アクティブ型の商品では、ファンドマネジャーの考え方が大きく左右しますので、
納得できるかどうか吟味する必要があります。

では株式の銘柄を選ぶ時には、何を基準として選ぶのでしょうか?
銘柄を選ぶ方法には、「バリュー型投資」と「グロース型投資」の2つがあります。

実際の利益や資産価値と比較すると割安な価格になっている株を、バリュー株と言います。
投資家があまり注目していない銘柄ですが、長い目で見れば大きく化ける可能性のある株
とも言えます。

グロース株は、今後の成長が期待される注目株です。
当然、早い段階で購入するのがコツですが、個人投資家が、簡単に予測できるものでは
ありません。

個人投資家の場合は、あまり注目されていないバリュー株をこまめに買うことも重要な
投資方法です。

米国の有名な投資家は、
「相場全体が下落するような場合に安値で好業績の株式を購入し、それを長期間保有する」
という投資方法を実践して巨額の富を得ました。
あのブラック・マンデーのでは、1日で約3800円も株価は下落しました。
しかし、翌日には日経平均株価は、2000円以上も上がったのです。
もし、ブラック・マンデーの時に売られた株を買っていたとしたら?

みんなと同じことをしていては、みんなと同じ結果になるだけです。
株式投資は、予想のつかない「天邪鬼(あまのじゃく)」のようなものかもしれません。

債権の種類と内容

株式よりもリスクが少ないのが、「債権」です。
債権には、「国債」「地方債」と「社債」があります。

株式と債権の大きな違いは、債権はその団体にお金を貸す、という部分です。
つまり借金なので、団体が儲からなくても返さなければいけません。

国が発行するのが、国債です。
債権と言うと、真っ先に国債を思い浮かべるでしょう。
国が発行する債券ですから、もっとも安全な投資とも言えます。
国債には、確定利回りのものや変動利付国債、発行時に利息相当分を差し引く割引国債
などがあり、2年満期から30年満期まで、色々な種類があります。

個人投資家が手軽に買えるのが、個人向け利付国庫債券(通称、個人向け国債)です。
満期が、変動10年、固定5年、3年の3つから選択できます。

国債は、預貯金などの金融商品と異なり、市場動向によって価格が変わります。
金利が下がれば価格は上がり、金利が上がれば、価格は下がります。

株式と債権には、一定のメカニズムがあります。
景気が良くなると、株価は上がり債権価格は下がり、景気が悪くなると、株価は下がり
債券価格は上がります。
但し、お金が余っているような経済状態の時は、株価同様に債券価格も上昇することが
あります。

国債は、国が発行するものですから、信用リスクは極めて低くなります。
金利の動向を見据えて、変動か固定かを選択するようにしましょう。

地方債は、地方公共団体が発行する債券で、利回りは国債よりも多少良くなっていますが、
基本的には国債と同じと考えて下さい。

国債よりも利回りの良いのが、社債です。
社債は、企業が発行するものですから、当然信用リスクは高くなります。

スタンダード&プアーズに代表される格付け会社は、長期債権を
「AAA、AA、A,BBB,BB,B,CCC,CC,C,」のランクに分けて格付けしています。

AAA(トリプルA)からBBBまでが、投資適格債と呼ばれています。
もっとも安全な社債ですが、絶対とは言えません。
投資適格債でも、企業が破綻すればデフォルト(債務不履行)が発生します。
破産寸前のマイカルは、直前までBBBの格付けでした。
格付けだけに頼らずに、株式同様、企業の情報には敏感であることが大切です。

BB以下は、リスクが非常に高い債権で「ジャンク債」と呼ばれるものです。

社債には、プレーンバニラ型社債と呼ばれる一般的なものに、様々なオプションを加えた
ものがあります。
株価の利回りを組み合わせた、株価インデックスリンク債権や、為替の要素を組み合わせ
た、デュアルカレンシー債権など、オプションを加えることで利回りを高くする目的の
商品です。
利回りを良くするための社債商品は、色々なものがありますが、当然一般的な社債より
リスクは大きくなります。
どこにリスクがあるかを理解することが大切です。

組み合わせ商品の代表的なのが、「転換社債」と「ワラント債」です。

転換社債は、正式には「転換社債型新株予約権付社債」と呼ばれるもので、株価が上がれ
ば、転換価格で株式に変えることができる商品です。
値上がりによる売却益が得られるようになっています。
また、株価が上がらなければ、そのまま社債の確定利回りと元本が満期に受け取ることが
できます。

ワラント債は、新株を購入できる権利部分と債権部分を分けて売買できる商品です。
価格変動率が株価よりも大きく、新株購入権利(ワラント)の行使期間が切れると価値が
なくなるのが、大きな特徴です。

このように、債権には様々なものがあります。
価格変動が高い社債は、リスクも高くなりますから、しっかり見極めてから購入することが大切です。
よく分からないものには手を出さないのが、投資の鉄則です。