“「アゴが私たちの身体に大切な役割を果たしている。」
と言ってもピンとこないかもしれません。

でも、マラソン中継などでペースが遅くなって選手を見て、
「だいぶアゴが上がってきましたね。」
という解説者の言葉を聞いたことはあるでしょう。

アゴが上がった状態は運動だけでなく、写真を取る時にも意識されます。
証明写真などを撮影する時に、「アゴを引いて」と言われた経験はあるでしょう。
アゴを引くと、きりっとした印象になります。
偉人たちの写真で、アゴの上がった写真はほとんどありません。

アゴを引くことは、印象的な理由だけでなく、身体の機能上でも非常に大切な役割を
果たしているのです。

下アゴは約1キロの重さがあり、側頭筋と言われる筋肉で吊るされています。
ブランコのような状態で、センサーのように身体のバランスを修正する働きをしています。

アゴのセンサーが正しく作用するためには、アゴと首(頸)、鎖骨の窪みが、一直線に
なっていることがベストです。

アゴの先端と首の中心がずれている人は、頭痛や首の痛みがある人が多くなっています。
横からみるとアゴが上がっていて、この状態が続くと様々な不調の原因になります。

無意識に顔が傾いている人は、骨盤や脊柱に歪みがあることがあります。
鏡で自分の顔を見て、アゴと首の中心、鎖骨の窪みが一直線になっているかチェック
してみましょう

アゴを引くと、重い頭が胴体の真ん中になり、脊柱が安定した位置になります。

戦国時代の殿様が椅子に座っている姿を想像して下さい。

股を大きく開いて、アゴを引いた凛々しい姿が思い浮かびませんか?

試しに、この姿勢で座ってみましょう。
脚を40度に開いて、うなずくようにアゴを引きます。
足の裏が地面に密着して、腰が前傾してしっかりと安定しているのがわかるはずです。

「殿様座り」は、威厳を保つだけでなく、健康づくりにも効果があるのです。
昔の人がそれを知っていたかは疑問ですが。

アゴが上がると、骨盤が後ろに傾き、猫背になります。
脊柱が不安定になり、筋肉や靭帯で上半身を支えるようになります。
この状態が続くと、ダメージが溜まり、様々なトラブルが生じてきます。

骨盤が後ろに傾くと脊柱のS字を保つのが難しくなるので、走るスピードもダウンします。
マラソンの解説で、「アゴが上がっています。」というのは、このような状態になっている
からです。

ゴルフのスイングの時にアゴを引くように言われるのは、力の伝わり方が違うからです。
アゴを引くと、上体が安定し回転速度もアップするのです。

このように、「アゴを引く」ことは身体のバランスを保ち、健康づくりにも大切ことです。
自分のアゴがどうなっているのかを意識する習慣をつけるようにしたいものですね。”