“歩くことが健康に良いのは、どうしてでしょうか?

それは、「体力」と密接な関係があります。
体力には、「行動体力」と「防衛体力」の2つがあります。

行動体力とは、主に筋肉の力による「パワー」、それを維持する「スタミナ」、中枢神経や
筋機能・呼吸循環器を調整する「運動神経」などです。
運動をすると、筋力だけでなく心臓や肺、血管などの機能も高められます。

運動をしないと、筋肉は衰えて細くなり、体力は低下してしまいます。
心筋も弱くなり、心臓の働きも悪くなります。
さらに肺活量が低下し、体内に取り入れる酸素の量も少なくなります。
成人病になるリスクが高くなるのです。

運動不足は、肥満の原因にもなり、メタボリックシンドロームは大きな問題にもなって
います。
当然、老化も運動不足と無縁ではありません。

歩くことは、このような行動体力の衰えを予防するために効果的なのです。

もうひとつの体力である「防衛体力」とは、ストレスに対する抵抗力です。
私たちは様々なストレスの中で生活しています。
環境汚染や温度差、花粉やウィルス、睡眠不足や不安などの精神的ストレスなど、数多く
のストレスに囲まれています。

このようなストレスを運動で直接的に解消することは簡単ではありません。
スポーツ選手でも風邪をひきます。

しかし、行動体力と防衛体力は無関係ではありません。
スタミナがつけば、身体の機能も高まります。

当然、不規則な生活や喫煙、過度の飲酒は、身体の防衛能力を低下させます。
運動だけでなく、正しい生活習慣を身につけることが大切なのは言うまでもありません。

「老化は足から」と言われるように、人は下半身から衰えていきます。
歩くのに使う筋肉は、全身の筋肉の半分以上を占めているそうです。

また腹筋や背筋も歩く動作には関係しています。
歩くことは、全身の筋肉を鍛えることにもなるのです。
さらに心筋も鍛えられ、肺の働きも良くなります。
血液の流れも良くなり、血管の老化を予防する効果があるのです。

「ゴルフでよく歩くから大丈夫」という人がいます。
しかし、歩くことが運動になるためには、20分以上歩き続けなければ効果はありません。
まして、月に3、4回ぐらいでは、なおさらです。

またジャズダンスやジョギングなどの激しい運動も、場合によっては悪い結果につながる
ことがあります。
運動不足の人が急に激しい運動をおこなって急死するケースも少なくありません。

健康のための運動は、「最大運動能力」の60%~70%の運動を継続的におこなうのがベスト
と言われています。

最大で100キロのバーベルを持ち上げられる人なら、60キロ~70キロのバーベルを持ち
上げる運動です。
ジョギングなら、喋りながら走れるぐらいのスピードです。

「エアロビクス」というと、ジャズダンスのような激しい運動を思い浮かべますが、
エアロビクスとは、「有酸素運動」のことです。

この有酸素運動は、まさに最大運動能力の60%~70%の運動なのです。
厳密に言うなら、ジャズダンスやジョギングは有酸素運動とは言えないでしょう。
酸素を体内に十分に取り入れながら持続できる運動が、有酸素運動です。
息が切れるような運動は、有酸素運動ではありません。

軽く息が弾むぐらいで歩くのが、健康のためにもっとも理想的な有酸素運動と言えます。