呼吸の質を高めよう

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“私たちの身体は、生命を維持するために、様々な機能が働いています。
呼吸や発汗、消化や循環、体温調節や内部分泌機能など、様々な機能が働いて、命を
つないでいるのです。

これらの機能のほとんどは、無意識の中でおこなわれますが、唯一「呼吸」だけが、
意識しておこなうことができるものです。

呼吸は、単に生命を維持するためのものではありません。
呼吸の仕方ひとつで、身体の機能を高めたり、精神を安定させたりすることが可能です。

正しい呼吸の仕方を覚えれば、身体に運ぶ酸素の量が増え、細胞が活性化して、肩の凝り
なども改善されるのです。

呼吸には、「貧しい呼吸」と「豊かな呼吸」があります。

貧しい呼吸は、息を吸った時に肩が上がる呼吸です。
呼吸と姿勢は、密接な関係にあります。
猫背になって腹部が圧迫されると、上下の呼吸になり、深呼吸で痛みを感じたりすること
もあります。
さらに、交感神経が刺激されて、「アドレナリン」や「ノルアドレナリン」が分泌され、
精神的な疲労を生み出す恐れもあります。

貧しい呼吸は、簡単なエクササイズで改善できます。

肘掛け椅子に座り、両腕を肘掛の上に載せます。
前腕を肘掛に押し付けながら息を吸い込みます。
そして、息を吐きながら力を緩めます。

15秒間で息を吸って、20秒間息を吐き続けるのが理想ですが、最初のうちは時間が短く
ても構いません。
徐々に秒数を伸ばして、目標に近づけるようにしましょう。

これは、背中の筋肉を働かせることが目的です。
上下の呼吸のような貧しい呼吸は、上胸部や上背部の筋肉(呼吸の補助筋)を激しく
使っています。
背中の筋肉を動かすと、補助筋の負担を軽減し、上下の呼吸を改善することができます。

このエクササイズは、立った姿勢でも可能です。
両手を後ろで組んで、息を吸うときに腕を下に引っ張ります。
息を吐きながら、力を抜いていきます。

貧しい呼吸をしている人は、是非チャレンジして、自分の呼吸パターンを改善して下さい。

豊かな呼吸のひとつは、「胸式呼吸」です。

胸式呼吸というと悪いイメージを持つ人もいるかもしれませんが、それは正しい胸式呼吸
を知らないからです。
正しい胸式呼吸とは、肋骨(胸郭)の下を左右に広げる呼吸です。
腹式呼吸よりも腹圧を長く維持できるので、日常の動作やスポーツ時には適した呼吸法と
言えます。

この呼吸をマスターするエクササイズも簡単です。
身体をまっすぐにして立ち、両手で胸郭を掴みます。
胸郭を左右に広げるようにして、鼻から息を吸い込み、胸郭を押すようにして息を吐いて
いきます。

猫背の人は、背中や胸の筋肉が硬くなり、正しい胸式呼吸ができなくなっています。
このエクササイズを習慣化して、正しい胸式呼吸をマスターしましょう。

豊かな呼吸のもうひとつは、「腹式呼吸」です。
お腹を膨らませたり、へこませたりする深い呼吸です。

横隔膜を使った深い呼吸は、副交感神経を活発にします。
副交感神経が刺激されると、脳内でセロトニンやβエンドルフィンなどの物質が分泌され
ます。
セロトニンやβエンドルフィンは、「快感物質」と呼ばれ、心を落ち着かせる作用があり
ます。

深い呼吸をするとイライラした気持ちがなくなった、そんな経験はあるはずです。

健康な身体では、交感神経と副交感神経の2つの神経系がバランスを保っています。

交感神経は、「昼の神経」と呼ばれ、血液や皮膚、心臓や肺などの内臓につながり、不安や
緊張、怒りなどの感情を高める作用があります。
「戦闘態勢」や「放電期」とも言われるのが、交感神経が優位に働いている状態です。

一方、副交感神経は、「夜の神経」と呼ばれ、心身をリラックスさせる働きがあります。
寝ている間に、内臓が働き、臓器を修復します。
「休戦状態」や「充電期」とも言われます。

この2つの神経がバランスよく働いている場合は、問題はありませんが、長い間
ストレスなどに晒されると常に交感神経が働くようになり、副交感神経の働く時間が
短くなってしまいます。
疲労が溜まり、神経だけでなく慢性痛など、体調不良の状態を引き起こすのです。
ですから、腹式呼吸で、副交感神経を活発化させることはとても大切なことです。

腹式呼吸の方法は色々あります。

複式呼吸の感覚を最も感じやすいのが、四つん這いでの腹式呼吸です。

四つん這いになり、深くため息をつくように息を吐いて、できる限りお腹をへこませます。
次に、鼻から息を吸い込み、大きくお腹を膨らせます。
四つん這いの姿勢は、内臓の重さが腹壁にかかるので、腹式呼吸の感覚がつかめやすく
なります。

腹式呼吸の一番のコツは、「深くため息をつくように」息を吐くことです。
口の先を小さくすぼめて、トランペットを吹くように頬をふくらませて、15秒ぐらいの間
でゆっくり息を吐きます。

仰向けでおこなう腹式呼吸も効果的です。
片手をおへその上に置き、もう一方の手を胸の上に置き、ゆっくりと息を吐いていきます。
次に、下腹部から風船をふくらむようにして、胸の方へ膨らませていきます。

正しい胸呼吸と腹式呼吸は、姿勢を良くして心をおだやかにします。
この呼吸を意識して、日常の中で実践していけば、身体も心も健康になるはずです。”

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